【プレスリリース】植物の高温・乾燥耐性を高めるバイオスティミュラント資材を開発するアクプランタ株式会社、プレシリーズAファーストクローズで1.5億円の資金調達を実施
~世界中で課題とされる気候変動による食糧問題の解決を目指し、海外展開の加速およびグローバルチームの構築を目指す~
アクプランタ株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:金鍾明(Kim, Jong- Myong))は、農林中金イノベーション投資事業有限責任組合(運営者:グローバル・ブレイン株式会社)、KHネオケム株式会社およびSMBCベンチャーキャピタル6号投資事業有限責任組合を引受先とする第三者割当増資を実施し、プレシリーズAラウンドのファーストクローズで約1.5億円の資金調達を行いましたことをお知らせいたします。
アクプランタ株式会社について
当社は、「Greenfulness-気候変動を、ともに生き抜く-」をミッションに、植物を様々な環境ストレスから守るバイオスティミュラント資材を開発するアグリバイオスタートアップです。バイオスティミュラント資材とは、植物やその周辺環境が本来持つ自然な力を活用することにより、植物のストレスへの耐性、収量と品質、収穫後の状態及び貯蔵などについて、植物に良好な影響を与える資材群です。農業分野における気候変動の影響や減農薬・減化学肥料意識の高まりを背景として、欧米を中心に世界中で利用ユーザーが急速に増加しております。
現在当社では、創業者の金鍾明が理化学研究所の研究員時代に、植物の環境ストレスとエピジェネティクス*に関する研究を通して発見した「酢酸が植物の乾燥耐性を高める」というメカニズム(図1)を基に開発したバイオスティミュラント資材「Skeepon(スキーポン)シリーズ」を販売しております。Skeeponを植物に投与することで、植物自身が乾燥・高温耐性を高め、過酷な環境下でも生育を維持し、植物のロスを減らすことができます。(図2)2019年から日本国内での販売を開始し、現在までに累計10,000ℓ以上の販売を行い、全国の農家様やゴルフ場様を中心にご利用をいただいております。
*エピジェネティクス: DNAの配列変化によらない遺伝子発現を制御・伝達するシステムおよびその学術分野のこと。
図1: 植物の乾燥耐性機能と酢酸に関するメカニズム
図2:2021年夏における北海道のブロッコリー農場での試験事例
当社は、バイオスティミュラント資材の開発や植物分野における研究開発を通して、世界的に課題とされている異常気象による植物資源生産へのダメージ、飢餓、栄養失調などの食糧問題の解決を目指しております。また、砂漠の緑化や森林の回復による環境保全、節水による天然資源の効率利用、植物の生産管理コストの低減に貢献することで、世界中の人々が心豊かに暮らし続けられる地球を実現すべく活動を行ってまいります。
資金調達の目的
今回の資金調達は、海外展開をより一層加速することを念頭に、海外での製品開発及びグローバルなチーム体制の構築を主な目的としております。CXO候補、海外事業開発担当者、様々な関連分野における研究者をはじめとした様々なポジションで積極的に採用を行い、組織基盤の強化に取り組みます。
採用情報
当社が掲げるミッション・ビジョンに共感いただける以下のような人材を募集しています。
・地球規模の社会課題を解決することに関心がある方
・グローバルスタートアップを共に創りたいという気概のある方
・科学技術の社会実装に関心がある方
・第二創業メンバーとして新規事業の創出に関心がある方
・農業、化学、環境科学分野のバックグラウンドや専門性を活かしたい方
詳しくは、当社採用ページおよびWantedlyをご覧ください。
採用ページ: https://ac-planta.com/entry_info/
Wantedly: https://www.wantedly.com/companies/company_6921401
プレシリーズAラウンド 引受先及び関係事業者からのコメント
・農林中央金庫 デジタルイノベーション推進部 部長代理 白石 博朗様
金社長の有する植物研究とエピジェネティクスの豊富な知見に基づくバイオスティミュラントは温暖化や水不足等の地球規模の環境課題に対する有効な打ち手となり、持続可能な地球環境と食糧生産の実現に向け大きな環境・社会的インパクトをもたらすことを確信しています。今回の出資がJAグループとの連携を通じ国内外の農業の持続可能な発展に貢献するものとなり、今後当社の技術が世界に飛躍することを楽しみにしております。
・グローバル・ブレイン株式会社 代表取締役社長 百合本 安彦様
気候変動の影響はあらゆる分野で顕在化していますが、特に異常気象や水不足が農業分野に与える影響は深刻です。アクプランタ社は植物エピジェネティクスの最先端研究成果をもとに、農業分野の課題に真摯にアプローチしています。グローバル・ブレインは、その高い研究開発力と食糧問題解決に向けた強い熱意を高く評価し出資を決定いたしました。今後はアクプランタ社のグローバルでの事業成長を最大限支援してまいります。
・KHネオケム株式会社 取締役常務執行役員 磯貝 幸宏様
地球環境問題が深刻化する中、科学の力で植物のポテンシャルを解放し、多様な環境下での育成を可能にするというビジョンに強く共感いたしました。食糧問題の解決に寄与することに加え、市場拡大していくバイオマス原料を用いたケミカル品の開発においても非常に魅力的な技術です。今後、両社で連携して、双方の企業価値の向上を目指していきたいと思います。
・SMBCベンチャーキャピタル 代表取締役社長 落合 昭様
気候変動や自然災害、人口増加に伴う食糧問題が世界的に深刻化する中、農業を変える先進的技術が求められています。当社技術は、過酷な自然環境下における農業を革新させるものです。更にその革新性だけでなく高い社会実装性も持つ技術であることから、国内のみならず海外市場での発展も期待でき、投資させていただきました。今後当社の事業成長をSMBCグループとしてご支援させて頂きたいと思います。
経営陣のご紹介
代表取締役社長 金 鍾明
長崎大学水産学部を卒業後、国立奈良先端大学院大学にて学位を取得(博士:バイオサイエンス)。酵母菌を用いたDNA複製研究を進めるとともに、ミトコンドリア維持に必須のアミノ酸代謝経路を発見した(学位論文)。その後は、UCLA分子生物学研究所にて、酵母菌を用いたエピジェネティクス研究に従事。帰国後、 理化学研究所 植物科学系研究センターにて研究員となる。植物研究分野において、環境ストレスとエピジェネティクスを結びつける研究分野を開拓した。
この研究の成果から、全ての植物が酢酸を利用して環境ストレスに耐性化することを発見。研究成果をいち早く社会実装し、地球温暖化による地球の食料問題と環境問題を解決するため、アクプランタ株式会社を設立し、CEO 代表取締役社長に就任した。東京大学大学院農学生命科学研究科特任准教授を兼任。
取締役COO 中坂 高士
北海道大学環境科学院在学時に、モンゴルの森林火災を研究する中、環境問題と社会には深い関係があることを目の当たりし、持続可能な社会とは何かを問うきっかけを得る。その経験から、事業を通じて社会課題を解決したいと考え、大学院卒業後は総合商社に3年勤務。
目指す事業を創るには、専門性とグローバルな仲間が必要と考え、日本の有機農家にて住み込みで約1年間農業に従事したのち、オランダWageningen大学でOrganic Agricultureの修士号を取得した。在学中のインターンシップでは、IITA(International Institute of Tropical Agriculture)ガーナ事務所で、バイオイノキュラントを普及する活動に従事。
その後、国際開発やスマート農業に関わる業務を経て、世界の持続可能な社会実現に貢献するべく、アクプランタにCOOとして参画した。
会社概要
会社名:アクプランタ株式会社
代表者:代表取締役社長 金鍾明
所在地:〒113-0034 東京都文京区湯島2-16-9 ちどりビル3F
設立:2018年2月7日
連絡先:info@ac-planta.com / 03-4405-1625
事業内容:乾燥・高温・塩害耐性を備えたバイオスティミュラントの研究開発、製造及び販売
HP:https://ac-planta.com/
本プレスリリースへのお問い合わせ先
お問合せフォーム:https://ac-planta.com/info/
担当者:COO 中坂 / 広報 一色