カリフォルニア州の農業イベントに参加&トマト農家での実証実験を報告

CEOの金です。6月の最終週、アメリカのカリフォルニア州に行ってきました。

バイオロジカルサミットという農業イベントに出展するためです。このサミットでは、地球沸騰化をどう乗り切るのかが主なトピックでした。口頭発表では、地球沸騰化にどう対応するかを討論するセッションがあり、この問題を乗り越えるために多くの議論がありました。問題意識の高まりから、新しい技術が多く紹介されていた点も興味深かったです。

アクプランタのブースに来て下さった方々も、農業技術の専門家などプロフェッショナルな方が多く関心を寄せているのが目立ちました。6人くらい直接お話しでき、全員、ネイチャープランツに発表した私の論文をご存じで、ああ、あの研究がこの製品になったんだね、という驚かれていたのが印象的でした。

新しい技術に対しても関心が高く、「最新技術というと灌水の自動化技術が目立つが、アクプランタ社の技術は全く異なる」や「腐食酸をつかった植物を元気にする製剤などが出ているが、従来の技術の延長線上のものが大半で、それで効果があるかどうかは不明確。それにくらべて、アクプランタ社の技術は本当に最新で明確」などとコメントされていました。改めて、スキーポンの技術の凄さとわかりやすさに手ごたえを感じた次第です。

 

このほかにも、州内のトマト農家で行われている実証実験の圃場に出向き、30ヘクタールのトマトの農地に5000リットルのスキーポンを、地中潅注システムを通じて注入してきました。前回渡航した5月には、苗の段階で、シャワーにてスキーポンを散布しています。そのトマトに追加で流路から流し込みました。

カリフォルニア州は、もともと雨が少なく、セントラルバレーと呼ばれる盆地の乾燥地帯で、トマト農家のほとんどが灌注システムを導入しています。今回は、地中30センチ程度の深さに通っているチューブの流路に、2500リットルのタンクに薄めたスキーポンを満たし、ポンプで2回、合計5000リットル流し込みました。

 

 

 

 

今回の2回目の追加散布でさらに耐性を高めることができると期待しています。今後は、根からスキーポンを取り込んだトマトが、どの程度暑さや乾燥に耐えられるかを確認する予定です。この実証実験にはUC Davisの研究者も共同研究のパートナーとして参加し、圃場での生育状況や収量などの解析で協力してくれることになっています。

農家さんからは「1回目の散布しているところとそうでないところで、1か月の生育の状況に差が出ている。散布区画は植物の生育がよく、揃っている。水だけの区画は生育にばらつきが出ている上に、樹勢が悪い。すでに差が出ているのではないか」という感想をもらいました。

また、「さらに暑さがひどくなっているので、スキーポンの散布でさらにたくさんのトマトが穫れるようになればうれしい」とお話されていました。ほかにも、従来の実験での成果で、スキーポンの効果の高さを実感してくださっており、「より高い効果が出やすい使い方を見つけたい」ともおっしゃっていました。

農家さんによると、昨年は春先に雨が割と降ったこともあり、水は潤沢だったそうです。確かに、今年の4、5月に現地を訪れた時には、川や貯水池が満水であった記憶があります。ところが、今回の6月の訪問では、貯水池の水量が3分の1に減っていました。この地域の気象データによると、ここ1か月雨が降っていないという記録もあります。

今回の出張で、改めて、地球沸騰化が深刻になっているのを目の当たりにしました。カリフォルニア州という、地球沸騰化で大きなダメージを受けている地域で実験するということは、大きな意味があると考えています。

お土産にスイカを2個もらいました。