【社員インタビュー⑦】総合商社で感じた、リスクテイクとスピードの重要性を、スタートアップ企業で実践
本記事では、総合商社での勤務、アメリカでのMBA取得を経て、アクプランタでのインターンに参加してくれた、橘宏一郎(たちばな・こういちろう)を紹介します。
インターン中に、アクプランタの技術とスピード感に魅了されたという橘は、その後、アクプランタに入社してくれています。そんな彼のこれまでの道のりと考えてきたこと、そして米国市場の担当者として持つ情熱を聞きました。
本記事を通して、橘の人となりを知って頂けると嬉しいです。
アクプランタとは?
社長の金が、理化学研究所の研究員時代に発見した研究成果をもとに、植物の乾燥・高温耐性を強化するバイオスティミュラント資材*1『Skeepon(スキーポン)シリーズ』を開発・販売している会社です。
プロフィール
應義塾大学法学部を卒業後、「食糧×日本のさらなる発展」に貢献したいという思いから総合商社に入社。穀物・油糧種子の輸入業務に携わり、海外トレーダーとの交渉、物流、クレーム対応などを通じ、商売の基礎を習得。
入社5年目に米国子会社に駐在し、中国向け三国間貿易、トレードのリスク管理、投資案件の推進、経営戦略の策定など幅広い業務を経験した。この間、競争の激しい市場で、現地トレーダーが許容できるリスクを見極めながら積極的に挑戦する姿勢に触れ、不確実性を受け入れつつ前進することが成長の鍵だと痛感する。
この経験から、不確実性への許容力をさらに高めたいと、幼少期を過ごした縁もあり、アントレプレナーシップ教育に定評のある米ミシガン大学MBAプログラムに留学。MBA1年目の夏休みにアクプランタでインターンをし、同社のミッションに共感。解決すべき課題の重要性とやりがいに強く惹かれ2024年9月入社、現在米州事業開発部長。
―――アクプランタに入社する前はどんな仕事をされていたのでしょうか。
新卒で総合商社に入社し、穀物部に配属されました。担当分野は、主にアメリカやカナダからの輸入業務です。その後、入社5年目で米国の関連会社に駐在し、トレーディングを担当し、三国間取引に携わりながら、会社の経営計画や新規事業のリサーチもしていました。
大企業と関連子会社という、規模の異なる2つの組織での経験を通じて「仮説を立て、リスクを承知の上で、スピード感をもって仕事するのが価値を生む源泉だ」と強く思うようになりました。
―――なぜそう考えるようになったのですか。
大企業では、取り扱う金額の規模が大きいこともあり、組織で合意形成するのに時間を要す事があります。そんな中で、自分としては意思決定、試行錯誤からの次善策というプロセスを高速で経験したいという思いが強まっていきました。そんな実践ができる環境を求め、会社を辞め、ミシガン大学でMBAを取得する道を選びました。
―――MBAからアクプランタへと、どうつながったのでしょうか。
大学院1年目の夏、MBAプログラムの一環で企業インターンをしたのがアクプランタでした。先ほどお話ししたような実践をする場として、スタートアップでインターンをするのがいいと考えていましたし、日本のスタートアップがどう成長するかを間近で見たいとも思っていました。
そういう会社は簡単に見つかりませんでしたが、地道に探し続ける中で、アクプランタを見つけました。偶然ですが、その前に、アクプランタに投資している企業の方からこの会社のことは聞いてたので、探す中で「再会」したようなものです。
―――なぜ、アクプランタでインターンしようと思ったのですか。
アクプランタで働く人や事業内容、独自技術に魅力を感じたからです。その中でも、「技術に特化している会社である」という点が一番の魅力でした。
総合商社で働く間、米国の農業系スタートアップを多く見てきましたが、いざ、現場の農家の方々と話すと、スタートアップが提供する解決策が農家の皆さんに受け入れられていない事が多々ありました。
どうすれば顧客に受け入れられるのかを考えるなか、アクプランタの技術と使命に魅力を感じました。まず、植物本来の力を使って、気候変動に適応できる技術を独自に開発しているという点。次に、気候が一層不安定になる中で、従来通りの収量を維持したいという、農家の課題感を解決しようとしている点です。
―――インターンの間、どんなことをされたのでしょうか。
まず、米国市場参入のための戦略を考えました。会社としては、米国市場のどこから参入すればいいか、解像度の高いイメージが持て、具体的な行動につながったと思います。
僕自身にとっても、スタートアップで働くというのはこういうことなのだというイメージが持てました。自分で「仕事」を見つけて主体的に取り組むことの大事さ、スピード感をもって取り組めること、自分のリサーチ能力にも気づきがありました。
インターンを終え、MBAプログラムに戻った後も、卒業後のキャリアは現場の最前線で価値を作る仕事に注力したいと考えるようになりました。
その際、アクプランタを入社先に選んだのは、技術の独自性のほかに、一緒に働いたメンバーの魅力も大きく影響しています。ミッションに共感し、熱量高く働いていることが一緒にいて伝わってきました。
―――これから、どんなことに取り組みたいですか。
これからは米国の事業開発を主に担当します。9月、正社員となって初めてとなる米国出張に研究担当の工藤さんと行きました。中西部のミネソタ、ネブラスカ、ノースダコタのリサーチ機関(CRO)や、農家の大豆やトウモロコシの圃場を車で回りました。走行距離は2000キロに及びました。
移動の間、様々な話をしました。中でも会社の態勢が限られている中で、いかに効率的に連携して成果を最短ルートで出せるのか、その大切さを肌で感じました。そのためにも、注力するべき作物を明確にして、販売地域や販売網の構築など、戦略を練り上げて、試行しながら事業を実現させたいと思っています。