横浜ラボ開設、より自然に近い環境で実験が可能に

R&Dグループリーダーの工藤です。昨年9月、横浜市鶴見区のベンチャー支援施設に移転した、アクプランタの新しい研究拠点の整備がだいぶ進んできました。

 

アクプランタでは、2023年から東京科学大学に研究拠点を開設し、スキーポンの効果的な使い方を探ったり、新製品の開発をしたりするのが目的で、植物を使った試験を主に実施してきました。


試験環境をさらによくするために移転した横浜市の施設では、より自然に近い環境で栽培できるよう、ウォークインクローゼットくらいの広さの空間に、作物の栽培に十分な光と温度制御の設備をもつ「人工気象室」と呼ばれる部屋を作り、そこで作物を栽培しています。これまでにできなかった、トウモロコシのような背の高い作物へのスキーポンの効果的な使い方も、人工気象室で実験できるようになりました。

 

また、専門分析機器を新たに設置し、植物の中の物質の動きや量など、分子レベルの精密な分析ができるようになりました。これは、評価する際に大いに役立っています。

今、開設から約8カ月がたちました。入居してしばらくは、実験のための電気や水道の引き込み、大型・専門分析機器の設置といったインフラ基盤の整備から始まりました。現在は1カ月ほどかけ、空気の流れや温度が均一になるよう調整しているところです。

 

なぜ、こうしたことまで気をつけているかというと、空気の流れの違いが乾燥の度合いの違いを生むので、実験で厳密に作物の生育を比べることが難しくなるためです。今では、ほぼ、均一の状態を保てるようになりました。

 

今後は、スキーポン関連の基礎研究をはじめ、新商品の開発といったこれまで続けてきた取り組みに加え、「人工気象室」を活用して、スキーポンの作物への効果をさらに探る実験にもチャレンジしていきたいと思います。