ウガンダ農業研究機構のラマサニ・イディ研究員インタビュー(後編) 乾季の圃場で見えたスキーポンの効果
ウガンダ農業研究機構(NARO)で、スキーポンを使った作物への実証試験を担当している、ラマサニ・イディ(Ramathani Idd)さんのインタビューの後編です。前編では、イディさんがスキーポンと出会い、乾季の栽培をどう変えてきたかを伺いました。後編では、実際の試験圃場を案内しくださったときの様子をまとめました。スキーポンを処理した区画と、していない区画では、作物ごとに違いがはっきりと現れていました。
ーーこの圃場では、どんな試験をしているのですか。
ここは、スキーポンを処理した区画と、していない区画を並べて比べている試験です。トマトは、定植前の苗に処理をしました。もう数日、水をやっていないのですが、見てください。処理区のほうは葉の色が濃く、萎れる様子もなく元気に育っています。無処理区は、乾燥のストレスでもう萎れはじめている。処理区ではすでに花も咲きはじめていて、違いははっきりしています。

ーーコーヒーでは、どんな効果が確認できましたか。
コーヒーは、定植の約12時間前に処理しました。一回処理すると、そのあと約3か月、植物の中で効き続けます。乾いた条件でも葉は濃い緑を保ち、新しい枝もよく伸びている。花の数も多く、実の数が増えることが期待できます。無処理区のほうは、乾燥で葉が黄ばみ、生育も遅れています。

ーーキャベツはどうですか。
キャベツも数日、水をやっていない状態ですが、処理区は葉が大きく広がって、順調です。無処理区は葉の展開が遅く、生育のスピードに差が出ています。この差が、最後には結球の大きさにつながる。市場で価値の高いキャベツになるわけです。

ーートウモロコシでは。
処理区のほうが草丈が高く、節と節のあいだ(節間)も長くなっています。葉が重なり合わないので、光を効率よく受けられて、光合成が続きやすい。雌穂も先端までしっかり実が詰まって、受粉が安定します。乾燥すると花粉の力が落ちやすいのですが、処理区ではその影響がやわらぐと期待しています。トウモロコシは、一度処理すれば約3か月効果が続くので、生育の全期間を通して、乾燥ストレスを和らげてくれます。

ーー最後に、日本の皆さんへ伝えたいことはありますか。
乾燥ストレスは、世界中の農業が直面している課題です。一連の試験では、スキーポンによって作物が乾季でも健全に育ち、水の量や水やりの手間を減らせる可能性が見えてきました。
これからもいろいろな作物で試験を続けて、もっと多くの農家に、この技術を届けていきたいと思っています。

CAP:インタビューを担当した松岡とイディさん