【社員インタビュー⑨】研究者としてラボから畑まで従事。オリジナリティある研究を追求する

本記事では、研究職としてアクプランタに入社した、上西愛子(かみにし・あいこ)を紹介します。
神奈川県農業技術センターでの幅広い実務経験を経て、アクプランタに興味を持った理由や、入社して感じた印象や今後の抱負などを聞きました。記事を通して、上西の人となりや、アクプランタをさらに知っていただければ嬉しいです。
アクプランタとは?
社長の金が、理化学研究所の研究員時代に発見した研究成果をもとに、植物の乾燥・高温耐性を強化するバイオスティミュラント資材*1『Skeepon(スキーポン)シリーズ』を開発・販売している会社です。
プロフィール
東京農工大学農学部生物生産学科で昆虫ウイルスの培養細胞での増殖を、東京農工大学大学院農学研究科でカイコの遺伝子配列解析を行う。神奈川県に入庁後は主に組織培養・遺伝子解析、野菜育種・栽培・成分分析の研究、生産者への組織培養技術指導等に従事。ホウレンソウ内容成分の品種間差異評価で社会人学生として千葉大学大学院 自然科学研究科で博士号(農学)を取得。アクプランタでは、主に研究開発(R&D)を担当している。
―――これまでの経緯を教えてください。
東京農工大学の学部と修士課程ではカイコを研究してきました。きっかけは大学受験時、大学のパンフレットの表紙に載っていたカイコの写真がかわいかったからです。カイコは体も吐く糸も白一色というイメージが強いですが、本当はピンクや緑、黄色の糸を出すカイコがいたり、体には様々な模様があるんです。
念願叶い、カイコの研究を始めようと思ったのですが、学生実験でカイコの体の仕組みを調べるための解剖が、カイコが可愛過ぎてどうしてもできず、カイコ研究は断念しました。その後一般教養部の輪読ゼミで分子生物学に触れ、これなら生命とは何かということを解明できるのではないかと思い、その研究をしたいと思いました。
卒業後は、神奈川県庁に一般農業職として入庁し、当時設立3年目を迎えたばかりの県農業総合研究所に配属されました。
生物工学班に入り、辛味が少ないタマネギの品種開発や、ホウレンソウに含まれる硝酸塩やシュウ酸塩含量の品種間差の研究等を担当しました。この時の研究がもととなり、働きながら博士号も取得しました。当時、30代で博士号をとった女性職員は私が初めてでした。
その後、農業普及員として県内の農家さんに露地野菜の技術指導を行い、研究部に戻ってからは、組織培養技術を用いてナスの品種改良にかかる時間を短縮させる研究、ダイコンの品種識別DNAマーカーの選抜、生産者さんへの組織培養技術指導、トマトの栽培試験等を行いました。このほか、アブラナ科属間交雑育種の新品種の開発も担当しました。この時は、組織培養による胚救済、機能性成分や染色体組成の解析、白さび病の耐病性検定など、ラボから畑まで一貫した研究に取り組むことができました。
―――なぜ、アクプランタに入社しようと思ったのですか。
県では、研究・普及・行政の三つの領域を経験する事が一般的ですが、私の場合はありがたいことに、長く研究畑にいることができました。今でも尊敬している初代所長に「国・大学・農家・企業がやらないオリジナル重視の仕事をしよう」と言われ、その理念に共感しながら研究をしてきました。
しかし、次第に自分が思う研究の概念と、今の組織内で求められる研究が乖離していると感じるようになりました。そのようなタイミングで50代となり、60歳の定年を考えると、挑戦するなら今だと思いました。
また私は人一倍、研究に対する熱い思いを持って仕事をしてきましたが、一人でできる研究には限りがあることも分かっていましたので、組織としてオリジナリティある研究をしたいという思いがありました。
知見のある育種系の研究職での転職を考えていたところ、ご縁あってアクプランタを紹介していただきました。ただ、最初はそんなに乗り気ではありませんでした。というのも、アクプランタにはスキーポンという看板商品がすでにあり、新しい研究をする余地はないのでは、と思っていたからです。
しかし、一次面接から金CEOとお話して、研究に対する熱い想いをたくさん語っていただきました。「研究してもらいたいことはたくさんある」と教えてもらい、ここなら自分がやりたかった研究というものができるのではと思えました。
また、バイオスティミュラントはまだこれから成長する領域で、可能性が大きいと感じています。そのため、自分が目指すオリジナリティある研究をしやすいとも感じました。
―――入社後に感じたこと、また今後の抱負を教えてください。
アクプランタでは、様々な年齢や経歴の方がいて、仕事の進め方も「まずやってみよう」という挑戦の姿勢があり、そこがいいなと感じています。
自分の強みは、先ほど話したような「ラボから畑まで」という幅の広さだと思います。また、思い切った研究をしてきたという自負があるので、未経験の領域でも自由な発想で取り組めたら、今までにない新たな切り口のテーマで研究ができるのではと楽しみにしています。