【高校生インターン】3週間アクプランタに参画して感じたこととは

本記事では、アクプランタ初となる、高校生インターン・松熊さんにインタビューし、アクプランタになぜ参画しようと思ったのか、参画してどう感じたのか、振り返ってみて何が得られたのかなどを伺いました。お話を聴かせてもらったアクプランタ側がたくさんの元気と刺激をもらったインタビューでした。高校2年生の夏のチャレンジ、ぜひご覧ください。

 

プロフィール

松熊一醒(まつくま・かずさ)さん/学校法人自由学園 高等部 2年

兵庫県出身。4歳からボーイスカウトに参加、様々な野外活動の中で食に興味を持ち、次第に農業にも興味を持つようになる。同県の農業高校生物工学科を志望していたが、農地などを持ち実践的に学べる自由学園に魅力を感じて入学を決めた。2025年8月中旬から約3週間、アクプランタ初の高校生インターンとして参加。事業関連のリサーチや研究のサポートを担当した。

 

―――なぜ、食や農業に興味を持つようになったのですか。

小さい頃から関わってきたボーイスカウトでの経験が大きいです。野外活動の一環として作物の栽培から収穫、調理までを体験するうち、この食べ物はどこからどうやってくるのだろうと興味を持つようになりました。

一方で、当時、ニュースで世界的な飢餓問題が取り上げられているのを見聞きする中で、環境要因で、植物の栽培・収穫が難しくなってきているのではないかと思うようになりました。そこで、遺伝子組み換えの領域で研究者になり、途上国や紛争地域といった場所でも簡単に作物を栽培・収穫できるようにしたいと考えるようになりました。

遺伝子領域に興味を持ったのは、真鯛が遺伝子組み換えで大きくなったという記事を読み、遺伝子組み換え技術の持つ可能性に魅了されたからです。関連本もたくさん読みました。

―――アクプランタとの出会いはいつですか?

去年の10月、農業関係の学部に通う大学生の姉に誘われて「農業WEEK」に行ったときです。偶然の出会いでした。本当は別の企業のブースに行くつもりで歩いていたのですが、たまたまアクプランタのブースの前を通りがかりました。

そのとき、ブースに展示されていたスキーポン処理したトマト苗と処理していないトマト苗が目に留まりました。一方は元気に育っているのに、もう一方は枯れていて、その結果は一目瞭然でした。直感で、自分のやりたい飢餓問題にアプローチできると感じ、そこにいた社員さんに思わず話しかけました。

社員の方から、高温・乾燥対策資材であるスキーポンの説明を受ける中で、自分のやりたい飢餓問題にアプローチできると知り、その場で「大学を卒業したらここで働きたい!」と感じました。すると、話の中でインターンシップを利用すれば会社や事業を知ることができると教えていただきました。しばらくたっても関わりたいという気持ちは変わらず、今年1月、メールでインターンシップに応募したい旨をお伝えしました。そして、8月に3週間インターンシップをさせていただけることになりました。

―――初めて会った時、しっかりと受け答えできていたので、大学生だと思っていたら高校生だと聞き、驚きました。インターンシップではどんなことをしたのでしょうか。

8月12日からインターンシップが始まりました。開始前は、事業のリサーチ補助がメインで、チャンスがあれば研究のサポートもできそう、というお話でしたが、実際に始まると、かなりの時間を研究のサポートに関わらせてもらいました。最初は週2日の予定だったのですが、面白くてほぼ毎日、アクプランタに通い、3週間があっという間に過ぎました。もっとやりたかったのが本音です。 

研究のサポートでは、自分が実際に測定した内容を元に発表もしました。この日は金さんがウガンダからオンラインで参加してくださったのですが、自分の発表内容をもとに現役研究者が議論を繰り広げている様子をナマで見聞きできたのは、本当に良い経験でした。

―――インターンシップを振り返ってどうですか?

研究者の皆さんが純粋な好奇心を持ち続けているということが印象的でした。研究のサポートでは、元大学教授の小柴共一さん(アクプランタ特別研究員)に指導してもらうことが多かったのですが、小柴さんはいつも目を輝かせて「どうしてだろう?なんでだろう?」と楽しそうに研究されていて、「なぜ」を繰り返す姿勢が、とても大切なことなのだと学びました。

この「なぜ」を繰り返すことの大切さを学んだことで、学校での勉強に対する姿勢も変わったと感じています。数学の公式を単に暗記するのではなく、「なぜ」この公式を使うと問題が解けるのかを考えながら解くうち、いつの間にか問題がたくさん解けるようになっていました。おかげで平均よりもかなり良い点数を取ることができました。

さらに、進路についての考えも少し変わりました。遺伝子関連の領域で学びたいと思ってきましたが、植物の奥深さに触れ、もっと視野を広げたいと思うようになり、いま改めて考え直しているところです。

偶然の出会いでしたが、アクプランタでのインターンシップは、モノの見方が大きく変わるきっかけになった3週間でした。本当にありがとうございました。