【社員インタビュー⑥】会社に貢献できることがあるなら喜んでやりたい!教授のセカンドキャリア

今回はアクプランタの特別研究員である小柴共一(こしば・ともかず)をご紹介します。大学生向けの教科書なども執筆しており、東京都立大学の名誉教授でもある小柴。彼のアクプランタ参画により、今まで以上に基礎研究にも力が入りそうです!

プロフィール

北海道大学理学部を卒業後、東京都立大学理学研究科にて植物の二次代謝に関する研究を行い博士号を取得。その後同大学にて助手から教授として研究だけでなく教育にも熱心に取り組んできた。1986年にはアメリカのワシントン大学(セントルイス校)にポスドクとしてオーキシン初期応答遺伝子の発現解析などを行う。帰国後はオーキシンやアブシシン酸の生合成に関する研究を進めた。基礎研究に加えて、植物の乾燥や塩ストレスに対する抵抗性の獲得機構の解明に挑んだ。フランス国立農業研究所との10年以上にわたる共同研究をはじめ、国内外の多くの研究者と共同研究も行った。東京都立大学(退官当時は首都大学東京)を2015年に退官し、同大学の名誉教授として現在に至る。

―――はじめに、子供のころについて教えてください。

子供のころは気が小さく人と接するのが苦手でした。教室にいてもいるのかいないのかわからないと言われるほどで…遠足などに出かけても一人で草花や昆虫を集めていました。

昔から研究にはとても興味があり、小学校5年生の時に「どうしても顕微鏡とめっき加工装置が欲しい!」と両親にねだって買ってもらい「自分は第二のエジソンになる!」と部屋に籠って実験(?)をしていたのを覚えています。また小学校6年生の時には、最近夏になるとよく見かける、手持ちの扇風機を自作したりもしました。これは夏休みの自由研究で提出したと思います。

両親ともに小学校の教員だったこともあり、将来は自分も理科の先生になりたいと思っていました。結果としては研究の道に入り、学生指導よりも研究に没頭する日々だったと思います。学生にとって良い教員だったかはわかりませんが、これまで一緒に研究してきたすべての学生たち、彼ら彼女らと過ごした時間は今の私の宝物です。

―――アクプランタへの参画の決め手は何でしたか?

退官してしばらくして、少しずつ自由な時間がとれるようになって、また植物に携わる仕事をしたいと思って見つけたのがアクプランタでした。

これまでの研究を通じて植物はもちろん地球環境問題にも強い関心があったため「これだ!」と思いましたね。ただ、はじめのうちは時間の問題もあったため、パートとして植物のお世話をしたり、工藤さんの実験補助をしたりしていました。

金さんからアクプランタのこれからのビジョンや、やりたい研究などを聞いているうちにどんどん面白くなってきてしまって。私自身まだまだやりたいこともあるし、会社にとって私がやれることがあるならば、もう少し深く関わりたいなと思っていたところに特別研究員の話を頂き、喜んでお受けしました。

―――アクプランタの魅力は何ですか?

これは研究員の工藤さんも言及されていますが、まず金さんの研究成果に基づいてSkeeponが生まれたことだと思います。私もこれまでの研究で植物ホルモンに関する特許や乾燥耐性に関わる特許などをいくつか取得してきました。しかし、実際に植物に劣悪な環境に対する抵抗性を持たせるためには、当時は結局農薬や遺伝子組み換え頼みになってしまい、なかなか現実的なものが少なかったように感じています。

その点、アクプランタは酢酸が植物の高温・乾燥耐性を引き出す向上させるという金さんの研究成果に基づいており、酢酸という人が口にするくらい安全なものを使って植物の力を引き出すというところに魅力を感じました。

今のアクプランタは研究をとても大事にしている会社で素晴らしいと思います。これからも社内外での実験を疎かにせず、国内外で事業が展開できると良いと思います。

―――アクプランタを今後どのような組織にしていきたいですか?

まだ少人数の会社ですが、皆それぞれ個性があり、やる気もあり、とてもアクティブな会社だと思います。それぞれの個性を生かしつつ会社としてチームワークも大切にして欲しいと思います。

また農業や地球環境に関する問題は日本にだけに留まりません。更に深刻な問題を抱えている国はたくさんあります。アクプランタの技術はそのような問題の解決策の一つになり得ると思います。そのため、今後日本国内だけでなく世界にどんどん展開できるよう祈っています。また私がそのお手伝いができるととても嬉しく思います。そして、この会社を通じて地球環境問題の解決の一端を担いたいです。